原発・原発事故 ブログトップ
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原発関連の書物が今なぜかベストセラーに [原発・原発事故]

In Japan, nuclear bestsellers reflect new debate

原発関連の書籍が今日本ではなぜかよく売れているという。こうした日本の出版業界の動向について米紙ワシントン・ポストが詳しく伝えていますので、ここに紹介します。

出版業界では、これまで原発物は売れないというジンクスがあったが、今原発物がベストセラーになっていて、出版業界に異変が起きているようです。

この異変の最大の原因はやはり、3月11日にあの大災害の後に起きた福島第一原発の事故であることは間違いない。それまでは原発の「安全神話」というものが日本中に行き渡っていて、反原発に関する書物を出版してもほとんど関心が持たれなかった。

出版業界によると、今現在1日に2冊以上の割合で原発関係の本が出版されているとのこと。内容的に見て、4対1の割合で原発に反対のものが多く、世論調査の結果とほぼ同じとなっている。

図を用いて客観的に書かれているものや、怒りでいっぱいのものから哀れを誘うものまで記事内容はさまざまであるが、共通して言えることは、日本の社会が政府の伝える情報をますます信用しなくなってきているということである。

小出裕章氏の「原発のうそ」は20万部以上も売れて、小出氏は講演に、インタビューに、テレビ出演と大忙しの毎日であるが、こうした変化に対して、原発事故が起きたから売れただけだと、思いは複雑だと語っている。

「原発事故については、政府と電力会社との癒着が問題た゛と指摘しているが、安全神話に踊らされた国民にも責任がある」と語っている。

「騙された国民には騙されたという責任がある」と小池氏は本の中で述べている。

「今までと比べて、私の意見を聞いてくれる人が増えては来たが、人々は原発は危険だということが分かり始めてきている。今私たちは重大な方向転換をする決断をする時が来たのかもしれない」とも述べている。

この英文記事で取り上げられた主な原発関連の書物を以下にまとめました。
いずれもAmazonで購入できます。

原発のウソ (扶桑社新書)

原発のウソ (扶桑社新書)

  • 作者: 小出 裕章(京都大学準教授)
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2011/06/01
  • メディア: 新書



日本中枢の崩壊

日本中枢の崩壊

  • 作者: 古賀 茂明(経済産業省大臣官房付)
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/05/20
  • メディア: 単行本



原発をつくった私が、原発に反対する理由

原発をつくった私が、原発に反対する理由

  • 作者: 菊地 洋一(元GE技術者)
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/07/09
  • メディア: 単行本



福島原発の真実 (平凡社新書)

福島原発の真実 (平凡社新書)

  • 作者: 佐藤栄佐久(前福島県知事)
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2011/06/23
  • メディア: 新書




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ストレステスト(耐性評価)は短めに [原発・原発事故]

ストレステスト(耐性評価)の概要が少しずつ明らかになってきました。テストの実施期間を短くするというものですが、果たしてこれが政府統一見解となるのでしょうか。唐突に菅首相が言い出したこのストレステスト、スムーズに実施されるのか、これから紆余曲折がありそうです。

「英文記事」

Japan's reactor 'stress tests' should be shorter than EU's: Okada

Democratic Party of Japan Secretary General Katsuya Okada indicated Sunday that Japan’s safety assessment to be conducted on nuclear reactors before restarting them following suspension for regular checks should be shorter than the European Union’s version of “stress tests” on which it will be based.

“A long-term test similar to the European Union’s would have an impact on industries and people’s daily lives,” Okada told reporters while on a visit to Ofunato, Iwate Prefecture. “The point is how to create Japan’s version of the test.”
( Kyodo News 2011/07/11)

「日本語訳」

「岡田克也民主党幹事長は定期点検後の原発再稼働の前に行う原発安全評価はベースとなる欧州連合版のストレステストよりも短くなるとの見方を示した。

「欧州連合(EU)並みの長期間のテストでは産業面、国民生活の面で影響が及ぶ。日本版のテストをどのように作るかだ」と、大船渡、岩手県大船渡市を訪問中に記者団に語った。」

「参考」
ストレステスト(耐性評価)政府統一見解

1. ストレステスト(耐性評価)を義務化。2段階で実施する
2. 第1段階として玄海原発など定期点検中の原発は津波などで
  損傷が生じるまでの目安となる「裕度」をまず確認。
3. 第2段階として欧州連合(EU)のストレステストを参考に総合的な安全評価を行う
4. 原発の再稼働は第1段階で決定する
5. 原子力安全委員会も安全性の判断に関与する



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脱原発は絵に描いた餅 [原発・原発事故]

福島第1原発が起きてから、3か月以上も経つというのに未だ収束の糸口が見えてこない。チェルノブイリ原発事故と深刻度が同じレベルになっているにもかかわらす゛、相変わらず原発推進を画策する政府と電力会社。原発を受けて入れている地域の住民からは表立った反対の声が上がってこないのはどうしてなのか。
外国では大規模な原発反対運動が起こっても不思議ではない。

中国電力-little.jpg
中国電力鹿島原発ー
現在、3号機が建設中






この問題をニューヨーク・タイムズの東京支局長であるマーチン・ファックラー氏がかなり詳しく記事にしています。日本のマスコミは政府や電力会社に遠慮しているのか、あまりここまで掘り下げて報道しないようです。

In Japan, a Culture That Promotes Nuclear Dependency

内容を簡単にまとめると次のようになると思います。

「政府からの手厚い交付金、保証金、そして仕事を与えることによって、電力会社は原発建設の賛同を地域住民から得ることが出来た。

こうした政府交付金は、地方の町や村の生活を豊かにしてきた。ところがいったん原発を受け入れてその交付金での豊かな生活に慣れてくると、その原発経済依存の体制から抜け出すことが難しくなり、ますます原発に頼るようになっていくのである。こうして原発経済依存の構造が出来上がり、原発に反対する声は隅の方に追いやられてしまうのである。

「原発は麻薬のようなもので、いったんそれを手に入れると必ずまた欲しくなるものだ」と言う人もいる。

地元が原発を受け入れるように促進するために出される政府交付金、そしてそれに頼る地方自治体。
この2つの歯車がかみ合って動いている日本経済、海外からはかなり批判の目で見られているようです。」

◆この記事を書いたマーチン・ファックラー氏は、週刊現代(7月9日号)で次のようなコメントを書いていますのでここに紹介しておきます。かなり手厳しい指摘をしていますが、我々日本人には大いに参考になるのではないでしょうか。

世界が見たニッポン 「政治もメディアもイカれてます」 ほかの国ではありえない

「日本はいくつもの深刻な原発事故を体験してきているのに、大規模な反対運動は起こらず、常に原発推進国であり続けた。ほかの国なら大規模な反対起こっているはずなのに、なぜ日本はそうならなかったのか。それが海外から見ると、不思議で仕方がなかったのです。

ところが取材の過程で、補助金と雇用創出につられて、原発のある街全体がそれに依存している仕組みが分かってきました。まるでドラッグのように、一度原発経済に依存してしまうと、もう抜け出せないーこれは私たちから見ると驚くべきことでした。

日本でも原発が建設されるまでは反対運動が起こるのですが、他の国とはそこからが違います。東海村の原発を例にとれば、1960年代~1970年代にかけて原発建設が進められたとき、地元の漁師たちが建設に反対しました。ところが、一度補助金・保証金が町に下りた途端、彼らは賛成派になってしまうのです。この変貌には驚きを禁じえません。いま、これらの地域を取材すると、住民が「原発事故は怖い。しかし、原発を誘致したことは後悔していない」と言うのですから、脱原発と口では言っても、現実的には難しいのではないでしょうか。」

※ このほかに、「国民の側に立たないメディア」、「菅も反菅もクレージー」といった記事も載せています。



New York Times


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原発安全神話ー4 [原発・原発事故]

原発PR施設をより豪華にして人目を引くようにする。電力会社のこの狙いは一体どこにあるのか。
ニューヨーク・タイムズの記事はこの問題を徹底して追及していきます。

トントゥビレッジ.jpg
東北電力東通原子力発電所
トントゥビレッジ











‘Safety Myth’ Left Japan Ripe for Nuclear Crisis
A Public Relations Drive

「大意4」   「大意1」   「大意2」   「大意3」   
電力会社は原発の安全性をPRするため、原発PR施設を建設したが、当初は「原発技術の話に興味がある成人男性」を対象にした簡素な作りであった。

ところが、チェルノブイリ原発事故発生を機に、「凝ったテーマパーク」に装いを変えて、原発と放射線に最も懸念を抱く若い母親の不安を払拭しようとした。

青森県にある東通原発には最新の原発PR施設があり、ここでは森の妖精「トントゥ」がテーマになっている。この施設ではアニメキャラクターが登場する様々なイベントを開催して、子供たちや若い親たちを楽しませている。

アリス館志賀には昨年10万人の来場者が訪れた。
「アリスが原発の不思議を発見、芋虫は放射能は安全だと言ってアリスを安心させ、チェシャー猫は、エネルギー資源についてアリスが学習するのを手伝う。キャンディーを食べて体が小さくなったアリスはウサギの穴ではなくて、25分の1の志賀原発の模型の中に入っていく」
※芋虫もチェシャー猫も「不思議の国のアリス」に出てくる登場人物

検定教科書は書き直され、原発の安全性に疑問を持たせるような記述は避け、ヨーロッパでの反原発運動の高まりに関する記述は削除され、チェルノブイリの記述は脚注に追いやられてしまった。

こうした教育の効果が世論調査にも表れ、福島第一原発の事故の後でも日本の若者は原発の最大の支持者だという結果が出る。

原発事業者自体がこの「安全神話」を信じるようになっていき、そこから抜け出せなくなってしまい、福島第一原発事故では、緊急対応策が打ち出せなかったのだ。

世界にtsunamiという言葉を送りだした国、日本、国内の原発施設ではではこの津波に対する防護策がほとんど取られて来なかったのである。




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原発安全神話ー3 [原発・原発事故]

原発安全神話が日本に生まれてきたその背景についての分析です。

‘Safety Myth’ Left Japan Ripe for Nuclear Crisis
Entering a New Age

「大意3」   「大意1」   「大意2」

日本が原発促進へと進んで行った始まりは、原子力時代の始まりの時までさかのぼることになる。

1945年8月、のちの大物総理大臣となる海軍青年将校中曽根康弘は西日本に駐留していた。
「広島上空に立ち上る原爆のきのこ雲が見えた。その時、これからは原子力の時代だと感じた」と1960年代に書いた論説の中で述べている。

石油や自然エネルギーなどが乏しかったために、第2次世界大戦へと走り、そして敗れた日本。エネルギーを自給自足できるようにするため、原発促進を国の目標と定めてきたのである。原発を扱えるようになれば、やがては核兵器の開発への道も開けてくるとの考えもあった。

左翼系の政治家、学者、知識人などは原発推進には反対するが、推進派は原発の安全性を強調する。電力事業者や経済産業相は宣伝や教育活動に何百万ドルもの予算を投じた。原子力安全保安院は今年、こうした宣伝活動のための予算を1200万ドル獲得した。同省代表の杉本孝信氏は「原子力安全保安院は安全性のみを強調してきたかもしれない」と述べている。

日本原子力文化振興財団の代表取締役で元関西電力の技師だった横田光彦氏は「原発の専門家たちはこれまで原発は絶対に安全だということを伝えてきた。これが安全神話へとつながっていったのは残念だ」と述べている。

政府の言うことを国民が簡単に信用してしまう国では、原発の安全性を国がいったん保障してしまえば、チェルノブイリのような原発事故が起こっても、国民は簡単に原発安全への考えを変えることにはならないのである。



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大間原発と小笠原厚子さん一家 [原発・原発事故]

小笠原厚子さん一家は、青森県大間町に建設予定の原子力発電所の建設にこの20年間反対してきたというニュースをブルームバーグが動画付きで紹介しています。

小笠原さんログハウス.jpg
小笠原厚子さんの
ログハウス











「英文記事」
Japan Family Takes Stand Against New Nuclear Plant

June 30 (Bloomberg) -- Bloomberg's Stuart Biggs reports from Oma, northern Japan, on the construction of a new nuclear power station set to open in 2014. Atsuko Ogasawara’s family rejected offers of more than $2 million for their property during a two-decade bid to prevent Electric Power Development Co., a utility also known as J-Power, from building the station. The family’s log bungalow, now surrounded by J-Power’s land, is a focal point for Japan’s antinuclear movement, attracting letters and visits from supporters across Japan. Ogasawara says the bungalow forced the company to move the reactor 250 meters (270 yards) away.
(Bloomberg 2011/06/30)

「日本語訳」
6月30日(ブルームバーグ):ブルームバーグのスチュアート・ビグズが、2014年営業運転開始予定の新しい原発建設予定地がある北日本の大間からレポートします。
小笠原厚子さんの一家は、20年もの間、2億円にも上る土地売却の申し入れを拒否し、Jパワーの原子力発電所の建設に反対してきた。Jパワーの敷地に囲まれた小笠原家のログハウスは、日本の反原発運動の中心となり、全国各地の支持者から手紙が届いたり、訪問を受けたりすることもある。ログハウスがあるため、Jパワーは原子炉を250メートル移動させなければならなかったと小笠原さんは話している。

ワンポイント英語
take stand against 「~に反対の態度を取る」
focal point 「中心」
...forced the company to ~ 「...のために電力会社は~せざるを得なくなった」
※このforceの用法意外とむずかしい?
「物事+force +人+to ~ 」という構造ですが、受験生にはおなじみの無生物主語の構文です。
受験英語のみならず、こういうニュース英語にもたびたび出てきますので、その用法に慣れておくとよいでしょう。
「例」
Bad weather forced us to call off the picnic.
「悪天候のため我々はピクニックを中止せざるをえなかった」
J-Power 「電源開発株式会社」

このニュースに関する詳しいサイトはこちらを見てください。
巨額原発マネーに住民が孤高の抵抗-マグロの街に見る立地策の縮図

小笠原さんは、本州北端にある人口6300人の青森県大間町で原発の建設予定地に土地を所有していた176世帯の中で、反対を貫く最後の住人。他の住人は交付金と引き換えに建設に賛成。

小笠原さんはこれまで、土地売却の圧力をかける手紙が送りつけられたり、脅迫電話を受けたり、様々な嫌がらせを受けてきたようです。

このような苦難に見舞われながらも、原発反対を貫く小笠原さん、これからも圧力に屈することなく自分の信念を貫いていくことでしょう。世の中が脱原発の方向に少しずつ向かっていくのではないでしょうか。


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原発安全神話ー2 [原発・原発事故]

原発安全神話を信仰してきた日本、想定外の原発事故に直面して慌てふためいている政府。

この原発安全神話はどのようにして作られたのか、ニューヨーク・タイムズの分析記事です。

‘Safety Myth’ Left Japan Ripe for Nuclear Crisis
Caught Unprepared

「大意2」  「大意1」からの続きです

巨大津波によって福島第一原発の冷却装置が破壊された時、メルトダウンを避けるための海水の注入を試みる日本政府と東電。警察の放水車や自衛隊のヘリコプターを使って行われたが、これは実は原発事故に不安を感じている日本人やアメリカ政府を安心させるためのパフォーマンスだったと、管直人総理側近の松本健一氏が語っている。

この原発事故で明らかになったことは、日本は原発事故に対応するための基礎的なハードウエアが不足しているということである。

日本は世界最大のロボット産業国なのに、原発事故の収束にどうして日本のロボットが使われなかったのか。

その答えは、電力事業所と監督官庁が、原発事故は絶対に起こらないとして、ロボット技術の導入に反対したからである。

チェルノブイリ原発事故以前から、日本では原発事故に対応できる緊急用ロボットの開発を始めていたが、生産までには至らなかった。

そして福島第一原発事故の処理では、やむを得ずアメリカからアイ・ロボットを取り寄せて、それに頼るしかなかった。東京電力は6月24日に日本で初め原発事故に対応できるように改造された国産のロボットを導入したが、故障してしまい、引き上げざるを得なかった。



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原発安全神話ー1 [原発・原発事故]

志賀原発.jpg
石川県の北陸電力志賀原発にあるアリス館志賀

‘Safety Myth’ Left Japan Ripe for Nuclear Crisis

日本の原発PR施設はまるでテーマパークのようなつくりで、原発の「安全神話」を日本国民に普及させた大きな原動力となっていたと米紙ニューヨーク・タイムズは最近の記事で伝えています。

莫大な資金を投じた大掛かりな宣伝活動や検定教科書を使った学校教育を通じ、官僚や政治家が国民に原発の安全性と必要性を信じさせたと報じ、各地の原発基地に併設されているPR施設のことに触れて、ファンタジーいっぱいのまるでテーマパークのようだと皮肉たっぷりに述べている。

この記事、日本の報道では見られないような角度から、「安全神話」に取りつかれた日本人を鋭く分析しています。我々日本人に大変参考になると思い、内容を紹介します。斉藤和義さんの反原発ソング「ずっとウソだった」のことも取り上げています。

「大意1」
日本海に面した原発の近くにある原発PR施設内の様々な展示物が「不思議の国のアリス」の助けを借りて原子力エネルギーの優秀性をアピールしている。

白うさぎ、アリス、そしてドードーロボットたちか゜登場して、原子力発電の安全性、優秀性を来場者たちに語りかける。

この数十年間、日本は原発の安全性と必要性を国民に納得させるため、莫大な資金を投入してきた。電力会社は来場者の目を引くような豪華でファンタジーいっぱいの原発PR施設を作り、政府官僚たちは様々な機関を通じて宣伝活動を展開、そして政治家たちは原発に好意的な記述をした教科書を強引に採用してきたのである。

その結果、原発は全く安全であるという「安全神話」が広く国民の間に浸透していったのである。

この原発の「安全神話」が日本国内に広まっていったため、世界で唯一の被爆国家であるにもかかわらず、原発推進へと進んで行ったのである。そのため、スリーマイルやチェルノブイリの原発事故が起こってもあまり深刻に受け止めることはなかった。

こうした原発「安全神話」が広まりを見せたため、電力会社は適切な安全対策や緊急用ロボットの開発を怠ってきたのである。

6月20日、ウイーンで行われたIAEA(国際原子力機関)の会合に出席した海江田万里経済産業相は記者会見で次のように述べた。「日本には原発に対する「安全神話」と呼ばれるようなものがあり、原発産業界には、原発の安全性に対する根拠のない乏しい考え方があった」

日本は過去において、宣伝や教育的な手段を用いて、そうした国の信念を作り上げたことがある。代表的な例が第2次世界大戦中に行われた国策である。しかし3月11日の大震災発生後、入念に作り上げられた原発の安全性に対する信念が崩れ去り、福島第一原発を非難する声が増えてきている。今まで政治に無関心だった若者たちは、ソーシャル・メディアを使い、反原発デモを組織し、参加を呼び掛けている。ただしそうした反原発デモの動きは一般の新聞やテレビなどではほとんど報道されてはいない。

「ずっとウソだった」という歌が反原発デモでは反原発ソングになり、ネット上では日本人の怒りを伝える手段になってしまった。この歌は歌手の斉藤和義さんが自身の曲である「ずっと好きだった」の詞を変えたもの。もともとは資生堂のコマーシャル・ソングとして作られたもの。

歌詞内容の一部は次の通り

「この国を歩けば原発が54基 
教科書もCMも言ってたよ、安全です。
・・・・・ずっとウソだったんだぜ 
やっぱ、ばれてしまったな 
ホントウソだったんだぜ 
原子力は安全です」

NO.2へ続く

ニューヨーク・タイムズではこの記事のほかに、スライドショー(12枚の写真)を作成して、主な日本の原発(志賀、浜岡、東通、島根)PR施設内部を紹介していますので、こちらもご覧になって下さい。
Building Japan’s Nuclear ‘Safety Myth’

「参考」
歌詞全文
「ずっとウソだった」

この国を歩けば、原発が54基
教科書もCMも言ってたよ、安全です。

俺たちを騙して、言い訳は「想定外」
懐かしいあの空、くすぐったい黒い雨。

ずっとウソだったんだぜ
やっぱ、ばれてしまったな
ホント、ウソだったんだぜ
原子力は安全です。

ずっとウソだったんだぜ
ほうれん草食いてえな
ホント、ウソだったんだぜ
気づいてたろ、この事態。

風に舞う放射能はもう止められない

何人が被曝すれば気がついてくれるの?
この国の政府。

この街を離れて、うまい水見つけたかい?

教えてよ!
やっぱいいや…

もうどこも逃げ場はない。

ずっとクソだったんだぜ
東電も、北電も、中電も、九電も
もう夢ばかり見てないけど、

ずっと、クソだったんだぜ
それでも続ける気だ
ホント、クソだったんだぜ
何かがしたいこの気持ち

ずっと、ウソだったんだぜ

ホント、クソだったんだぜ



斉藤和義ー「ずっとウソだった」ー動画サイト(YouTube)

New York Times


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原発作業員のリクルート方法 [原発・原発事故]

日雇労働者、仕事先は宮城県のはずが実は福島第一原発

宮城県女川でダンプの運転手、この求人に応募した日雇い労働者、実際の仕事は福島第一原発の敷地内での作業員としての仕事だったというニュースです。

Job seeker says ending up at nuclear plant not mentioned in ad

「英文記事」

Job seeker says ending up at nuclear plant not mentioned in ad
A man who applied for the job of driver in Miyagi Prefecture has filed a complaint with a job placement center in Osaka’s Airin day-laborer district, saying he was made to work at the crippled nuclear power plant in Fukushima Prefecture, sources familiar with the case said Sunday.

The agent who placed the ad through the Nishinari labor welfare center has admitted to the center that the man worked in the premises of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station that was smashed up by the March 11 earthquake and tsunami, according to the sources.

The labor ministry’s Osaka district bureau has also started investigating the case, they said.

A support group for the man said, "It’s an unpardonable act to send a day laborer in a socially weak position to a dangerous place."

According to the sources, the center placed an ad around March 17 at the request of the agent. It was seeking ‘‘a driver for a 10-ton dump truck’’ in Onagawa, Miyagi Prefecture, for a daily wage of 12,000 yen for 30 days.

The man successfully applied for the job and was sent to the region. Around March 25, during the employment period, the man telephoned the center, saying, ‘‘I’m removing rubble near the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station, clad in protective gear. The job offer was supposed to be in Miyagi. What happened?’’ according to the sources.

After the employment period ended, the center confirmed with the man and the agent that he was engaged in work within the plant’s premises for a period, the sources said.

Tokyo Electric Power Co, which operates the nuclear power plant, said some workers from its ‘‘associate’’ companies, other than its own employees, may engage in removal of rubble or laying cables.

The center in Osaka’s Nishinari Ward, which includes the Airin district, has so far withheld the name of the agent and other details including the nature of work the man undertook, saying it is still conducting investigations.

Airin is known as the district that draws the largest number of day laborers in Japan.
(Kyodo News 2011/05/09)

「日本語訳」

「宮城県で運転手として働く条件の求人に応募した男性が、福島県の破損した第一原発で働かされたとして、日雇い労働者が集まる大阪のあいりん地区の労働福祉センターに苦情を申し入れたことが日曜日、関係者の話からわかった。

西成労働福祉センターに求人を出した業者は同センターに対して、男性が3月11日の地震と津波によって破壊された福島第一原発の敷地内で作業していたことを認めた。

大阪労働局も事実関係の確認を始めたとのこと。

支援団体は「社会的に立場の弱い日雇い労働者を危険な場所に送り込むなんて許されない」と話している。

関係者によるとセンターが3月17日ごろ、業者からの依頼を受けて求人情報を掲示。その求人内容は「宮城県女川、10トンダンプ運転手、日当1万2千円、30日間」となっている。

応募して採用された男性は東北地方に派遣された。しかし、雇用期間中の3月25日ごろ、男性から同センターに「福島第一原発付近で防護服を身に着け、がれきの撤去作業をしている。求人は宮城だったのにどうなっているんだ」と電話があった。

雇用終了後に同センターが男性と業者側に確認したところ、男性が福島第一原発敷地内で一定期間作業に従事していたことが判明した。

原発を運営している東京電力は、当社の従業員以外に関連会社から派遣されてきてがれきの撤去やケーブルの敷設作業に従事している作業員が何人かいるかもしれないと話している。

あいりん地区がある大阪西成区の同センターは「聞き取りを進めていると段階」として、業者名や男性が行った詳細な作業内容はこれまで明らかにしていない。

あいりん地区は日雇い労働者が仕事を求めて集まる国内最大地区として知られている。」




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白雪姫が食べた毒りんごは日本産? 風刺漫画に日本が抗議 [原発・原発事故]

白雪姫が食べた毒りんごは日本産だった?

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この白雪姫みたいな1コマ漫画が米紙に掲載され物議を呼んでいます。原発事故の処理に苦慮している日本人の神経を逆なでしたようなこの漫画、皆さんはどのように感じたでしょうか。

在ニューヨーク日本総領事館は早速、新聞社に抗議したようですが、この問題、日本ではあまり報道されていないのでは。

白雪姫をもじったこの風刺漫画、アメリカ人には受けたでしょうが、福島県で避難生活を強いられている農家の人たちにとっては、笑いごとでは済まされないでしょう。

漫画の中で白雪姫が右手に持っている新聞の見出しですが、少し見えにくいと思いますが、"Japan nuclear radiation"「日本の放射線」と書かれています。

おばあさんが白雪姫に差し出すリンゴが日本産で放射能に汚染されているのではないかと、白雪姫が疑っているというパロディー版の白雪姫です。

せっかくの名作アニメ「白雪姫」もこれではイメージ・ダウンです。

「日本語訳」
「在ニューヨーク日本総領事館は、「日本の放射線」の見出しが付いた新聞を手にした白雪姫が、リンゴを差し出そうとする老婆に「あなたは日本から来たの」と尋ねている1コマ漫画を掲載したとして、木曜日ニューヨーク・タイムズ社に抗議した。

領事館の話によると、掲載された1コマ漫画は白雪姫が毒りんごをかじった後、こん睡状態に陥ってしまうグリム童話の話のことを言っているので、日本の食品の安全性について事実無根の不安をあおりかねないとしている。

この1コマ漫画はインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙(親会社はニューヨーク・タイムズ)木曜日版の論説面に掲載された。

漫画の中で白雪姫はおばあさんが手にするリンゴを虫眼鏡で疑い深く見て、魔法使いのような恰好をしたおばあさんに「ちょっと待って。あなたはどこから来たの」と尋ねている。

この1コマ漫画はもともとは中国英紙China Dailyに掲載されていたものだが、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に転載される前に、最初に中国紙に掲載されたかどうかは確認されていない。

副総領事の川村泰久氏は、日本の食品は日米両国で十分な放射線検査を受けているので、消費者は日本の食品の安全については心配する必要はないと話している。

総領事館によると、ニューヨーク・タイムズの編集長は抗議を重く受け止めているとのこと。

「英文記事」
Japan protests over IHT Snow White cartoon about nuclear crisis

Japan’s Consulate General in New York lodged a protest with New York Times Co on Thursday for publishing a cartoon in which Snow White, carrying a newspaper with the headline ‘‘Japan nuclear radiation,’’ asks an old woman offering an apple if she comes from Japan.

The consulate said that since the cartoon refers to a story in Grimm’s Fairy Tales in which Snow White falls into a stupor after biting a poisoned apple, it may stir up what the consulate called unfounded anxieties over the safety of foods from Japan.

The cartoon was carried on the editorial page of the International Herald Tribune, which is owned by the New York Times, in its Thursday edition.

In the cartoon Snow White looks skeptically at the apple through a magnifying glass and says to the old woman, who is dressed like a witch, ‘‘Wait a minute! Do you come from Japan?’‘

The cartoon was credited to Luojie of the English-language China Daily. It was not immediately known whether it appeared first in the Chinese paper before being reprinted in the International Herald Tribune.

Deputy Consul General Yasuhisa Kawamura said consumers do not have to worry about the safety of foods from Japan because they have cleared adequate radiation checks both in Japan and the United States.

The newspaper publisher responded that it took the protest seriously, according to the Consulate General.
(Kyodo News)


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