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ウォール街のマゾ戦略ーNO.2 [Occupy Wall Street]

ウォール街のマゾ戦略ーNO.2

What should Wall Street do.jpg

◆金融業界抗議デモに対する解決策はこれしかない。


Tony Blair masochism strategy

「トニー・ブレアのマゾヒズム戦略」


It is time for a bold new strategy: engaging directly with the protesters.「大胆で新しい戦略を取る時だー抗議者たちと直接向き合うことだ。」

◆具体的には次のように書かれている。

Bank bosses might also consider exposing themselves directly to the public’s fury, by meeting the protesters face to face. What they say in the few seconds before the eggs start flying would matter less than the act of saying it.

The Masters of the Universe would not win the argument, but that is not the point of what has become known as the “Tony Blair masochism strategy”, after Britain’s then prime minister discussed the Iraq war with angry voters in the run-up to the election of 2005.

Letting himself be verbally assaulted proved cathartic to voters. The encounter also gave Mr Blair a chance to make his case in plain English and highlight his critics’ inconsistencies. He won the election handily.

「銀行の経営者側が、大衆の怒りの中に自らの身をさらけ出し、抗議行動参加者たちと面と向かうことを検討してもよい。彼らから卵を投げつけられるまでの数秒の間に話す内容のことよりは、彼らの前で話をするという行為そのものの方が大事なのだ。

世界の覇者であるウォール街の金融業社は、この論議で勝利を収めることはないだろう。しかし「トニー・ブレアのマゾヒズム戦略」においては、論争の勝ち負けは重要ではない。2005年のイギリス総選挙の直前、当時イギリスの首相だったトニー・ブレアが怒れる有権者たちとイラク戦争について話し合ったことから、その後そう呼ばれるようになった。

トニー・ブレア氏が有権者たちの激しい罵りの中に自らをさらけ出したことで、有権者たちの怒りが収まるようになった。この有権者たちとの直接対話は、ブレア氏にとって分かりやすい言葉で自分の立場を主張し、抗議派の矛盾を明るみに出す機会ともなった。その結果、ブレア氏は選挙で楽勝した。」


ーこの記事、最後は次のような結びとなっています。

A dose of masochism could not possibly harm the Wall Street brand, and it might actually help.

「ウォール街がマゾヒズム戦略(デモ参加者たちとの直接対話)を取ったからと言って、ウオール街のブランド(信用)に傷がつくことはないだろう。それどころか、かえって事態は好転することだってあり得るのだ。」


masochismとはマゾのことですが、一般的なマゾと勘違いしてはいけません。ここではあくまでも政治的な意味合いで使われているのです。

怒れる抗議者たちの間の中に入っていき、抗議の嵐に身をさらすことによって、自分を痛めつけるというような意味のようです。

しかし、トニー・ブレアがこうした行動をとって、快感を覚えたかどうかは定かではありませんが、一国の首相自らがそうした困難の中に飛び込んで行ったという政治家としての勇気は、日本の政治家も見習ってほしいものです。

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ウォール街のマゾ戦略ーNO.1 [Occupy Wall Street]

抗議する側と抗議を受ける側ーこの両者を結びつける解決の糸口は見つからないのだろうか。

Occupy Wall Street Movementーますます拡大し、その勢いはとどまるところを知らない金融業界に対する抗議デモ。

What should Wall Street do.jpg

既に世界各地にその運動は広がりつつあるが、このままの状態が続くとアメリカのみならず、世界の経済にも大きな影響を与えることになるのではないか。

こうした経済問題について鋭いメスを入れて、問題点や解決策を提案しているイギリスの経済雑誌エコノミストが今回、金融業界に対して大胆な解決策を提案しています。

What should Wall Street do ?(ウォール・ストリートは何をすべきか)と題する記事の中で、その解決策について書かれています。

それがーTony Blair masochism strategy(トニー・ブレア・マゾヒズム戦略)ーです

これについては後程触れますが、この記事の前半では、金融業界に対する抗議デモの影響が政治中枢部にまで及び、政治家も彼らの抗議を無視することが出来なくなってきたと書かれています。さらにはこの抗議デモの支持者がアメリカ国民の間て増えてきているということも書かれています。

◆その部分を紹介します。

The protests against finance are popular and global. In America, they have attracted sympathy in high places: Barack Obama seems to view cosying up to the Occupy Wall Street protesters as a way to revive his flagging hopes of re-election.

Even some Republicans think there may be votes in declaring kinship to them.

A poll by CNN published on October 24th found that those who approve of Occupy Wall Street outnumber those who disapprove by 32% to 29%. Worse for Mr Blankfein and his pals, a hefty 54% of Americans say they don’t trust Wall Street to do what is right for the country, up from 30% in the 1990s.

「反金融業界デモは大衆の支持を得て、世界にも広がりを見せている。アメリカでは政府高官からの共感も得ている。オバマ大統領は、「ウォール街を占拠せよ」デモ参加者たちに取り入ることで、危ぶまれている来年の再選を確実なものにしたいともくろんでいる。

共和党の中にさえ、デモ参加者たちに共感を示せは共和党への票につながると考えている議員がいる。

10月24日に行ったCNNの世論調査によると、 Occupy Wall Street 運動を支持する人が32%、支持しない人が29パーセントと、支持する方が上回った。さらにウォール・ストリート(金融業界)はアメリカの国に対して、正しいことをしていないと答えたアメリカ人は、1990年代の30%から実に54%にまで上昇した。」

◆これまでウォール・ストリートは、自分たちの行ってきた経済活動が世間から批判されたりすると、決まって一般大衆から遠ざかり、大勢の弁護士やロビイストたちの後ろに身を隠したりしてきた。2008年の金融危機以来、そうした傾向が強まってきている。

大手銀行は世界経済を混乱に陥れた責任の一端があるにもかかわらず、世間に対してなかなか謝罪しようとはしない。そして一般納税者たちは、公的資金、つまり国民の税金で銀行を救済したのに銀行からは心からの感謝の言葉を未だに聞いてはいない。

さらには、ウォール街の経営者たちは、議会に参考人招致に呼ばれても、弁護士が用意した文書を読み上げるだけで、反省の様子が見られない。

◆こうした背景を受けて、今Wall Streetは世間から批判の矢面にさらされているが、実はWall Street側にもそれなりの言い分があるのだ。

Wall Street does have a reasonable tale to tell. Banking is not tobacco. Its products do not usually kill its customers. The industry messed up horribly, but people still need loans and somewhere to park their savings.

Companies—you know, the things that create jobs—need investment banking to help them manage their finances and grow.

Misguided regulations, written in anger, could imperil this. Wall Street needs to articulate this case firmly and often.

「ウォール・ストリート側にも実はちゃんとした言い分があるのだ。銀行はたばこ製造業ではないから、顧客の命を奪うことはまずないのだ。金融業界は経済を大混乱させたが、人々は依然として融資や、貯蓄の預け先を必要としている。

知っての通り、雇用を創出する会社も、財務を管理して成長していくためには、投資銀行が必要なのだ。

抗議デモの怒りにまかせて誤った規制が作られると、こうした銀行本来の業務が危うくなる恐れがある。ウォール街はこうした状況を世間にしっかりと繰り返し伝える必要がある。」

NO.2へ続く



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世界恐慌の前兆かーNO.3 [Occupy Wall Street]

世界恐慌の前兆かーNO.3

引き続きエコノミストの記事を見ていきます。

Tackle the causes, not the symptoms 「症状ではなく、原因と取り組むこと」

解決策ーその1

Braver politicians would focus on two things. The first is tackling the causes of the rage speedily. Above all that means doing more to get their economies moving again. A credible solution to the euro crisis would be a huge start. More generally, focus on policies that boost economic growth: trade less austerity in the short term for medium-term adjustments, such as a higher retirement age.

「もっと勇敢な政治家だったら、次の2つのことを重要視するだろう。まず第1は、(抗議デモ参加者の)怒りの原因についてスピーディーに取り組むこと。とりわけ重要なのは、経済を再び正常に動かすための努力をもっと行うことだ。ユーロ危機に対して信頼のおける解決策を示せば、これが大きなとっかかりとなるだろう。もっと具体的には、経済成長を促進するような政策に重点を置くことだ。緊縮財政の短期的な緩和をする代わりに、退職年齢の引き上げを中期的に調整することもよい。」

Reform finance vigorously. “Move to Basel 3 and higher capital requirements” is not a catchy slogan, but it would do far more to shrink bonuses on Wall Street than most of the ideas echoing across from Zuccotti Park.

「積極的な金融システム改革を行うこと。「ベーゼル3と自己資本規制の更なる厳格化への移行」はあまりパッとしたスローガンではないが、ウォール街のボーナスを縮小するのは、ズコッティ公園から聞こえてくるデモ参加者たちからの大半の主張よりは、はるかに効果があるはずだ。」

◆Basel : 金融業界に対するリスク管理のガイドライン


解決策ーその2

The second is telling the truth—especially about what went wrong. The biggest danger is that legitimate criticisms of the excesses of finance risk turning into an unwarranted assault on the whole of globalisation.

「第2は、真実を伝えること。とくに、問題の原因について真実を伝えること。一番危険なことは、金融危機に対する正当な批判が過度になると、その批判が今度は世界経済全体に対する不当な攻撃に変わっていく恐れがあることだ。」

国の財政危機をもたらした張本人は政治家たちだ。

the huge hole in most governments’ finances stems less from bank bail-outs than from politicians spending too much in the boom and making promises to do with pensions and health care they never could keep. Look behind much of the current misery—from high food prices to the lack of jobs for young Spaniards—and it has less to do with the rise of the emerging world than with state interference.

「ほとんどの政府の財政に見られる財政赤字という巨大な穴が出来た原因は、銀行の公的資金による救済からではなくて、政治家が景気のよいときに過剰な支出をして、年金や医療などについて守ることなどできないような約束をしたことから起こってしまったのだ。高騰する食料価格から、スペインの若者の失業率に至るまで、現在世界で起こっている惨状の裏側を見れば、新興国の台頭の影響よりは、政府による干渉の方が影響が大きいことがわかる。」

Global integration has its costs. It will put ever more pressure on Westerners, skilled as well as unskilled. But by any measure the benefits enormously outweigh those costs, and virtually all the ways to create jobs come from opening up economies, not following the protesters’ instincts.

「グローバルな統合にはそれなりの代償が伴う。欧米の人たちは、未熟練労働者のみならず、熟練労働者も、今後経済的に今まで以上に大きな圧迫を受けることになるだろう。しかしそれでも、グローバルな統合によるメリットは、そうした代償よりはるかに大きいものだ。実際に雇用を創出するには、経済を解放することしかないのだ。デモの抗議者たちの本能に従うことではないのだ。」

怒りの抗議行動の行先はーNO.1
怒りの抗議行動の行先はーNO.2

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世界恐慌の前兆かーNO.2 [Occupy Wall Street]

世界恐慌の前兆かーNO.2

引き続きエコノミストの記事の内容を見ていきます。

The 1% have gained at the expense of the 99%
「1%の人間たちが99%の人々を犠牲にして儲けている
ーOccupy Wall Street デモ参加者が掲げるスローガンの1つ

◆欧米諸国の若者たちの失業率の高さに中年層の賃金や年金給付金の目減りなどで、経済的困窮者が増大している。そんな状況でも、裕福な銀行家たちは莫大なボーナスを受け取っている。

こうした異常な状況は、デモの参加者たちにとって、経済システムの破たん以外の何物でもないと見ている。

The Anglo-Saxon model claimed that free markets would create prosperity; many voters feel instead that they got a series of debt-fuelled asset bubbles and an economy that was rigged in favour of a financial elite, who took all the proceeds in the good times and then left everybody else with no alternative other than to bail them out.

「英米の(アングロサクソン)経済モデルは、自由な市場が繁栄をもたらすと主張してきたが、多くの有権者が手にしたのは、繁栄ではなくて、負債で膨らんだ一連の資産バブルと、金融界のエリートに有利に働くように操作された経済だった。そして金融エリートたちは、景気のよいときに利益をすべて独占し、景気が悪くなると公的資金で救済するしかないと国民に思わせてきたのだと有権者たちは見ている。」

If the grievances are more legitimate and broader than previous rages against the machine, then the dangers are also greater. Populist anger, especially if it has no coherent agenda, can go anywhere in times of want. The 1930s provided the most terrifying example.

「現在の経済システムに対する大衆の不満が、昔の機械に対する怒りよりも正当で広範囲にわたるものだとするなら、その不満がもたらす危険もまたこれ以上に大きいものになる。大衆の怒りが、特に首尾一貫した目的がない場合は、その怒りは、困窮の時代には、どういう方向に向かっていくのかは分からない。1930年代がそのもっとも恐ろしい例を示している。」

「参考」
1930年代の世界恐慌について

1929年10月24日にニューヨーク証券取引所で株価が大暴落したことを端緒として世界的な規模で各国の経済に波及した金融恐慌、および経済後退が起きた。1929年10月24日は「暗黒の木曜日」(Black Thursday)として知られ、南北戦争に次ぐアメリカの悲劇といわれた。(ウィキペディアより)

詳しくはこちら

◆最近のアメリカの大衆抗議活動としては、Tea Party運動が有名だが、これも運動開始当初は、明確な要求を持っていなかったという。それが次第に政治を動かすほどの影響力を持つようになってきた。

Occupy Wall Street movementはアメリカの政治に影響力を与えるような勢力となるのだろうか。

Worryingly, politicians are already in something of a funk. The Republicans first denounced the occupiers of Wall Street, then cuddled up to them.

「心配なことに、政治家たちが既に、彼らの抗議活動に対して何か尻込みをしているところがあることだ。共和党は当初、ウォール街の占拠者たちを公然と非難してきたが、そのうちにデモ参加者達の機嫌を取るようになったのだ。」

※来年再選を控え、国内の経済的不況などで苦境に立たされているアメリカのオバマ大統領だが、このOccupy Wall Street 問題にどう対処するのだろうか。

NO.3へ続く    NO.1はこちら

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世界恐慌の前兆かーNO.1 [Occupy Wall Street]

アメリカで始まったOccupy Wall Street movement(ウォール・ストリートを占拠せよ運動)はアメリカのみならず、世界各地に広がりを見せている。

最初は経済に対する不満を述べている抗議活動だと見られていたが、その抗議活動は日を追うごとに、大きな広がりを見せて、単なる抗議デモに終わらずに、政治にも影響を与え始めてきているようだ。

Capitalism and its critics.jpg
街頭で抗議行動をするアメリカの若者

来年再選を控えるオバマ大統領もこの抗議運動を無視できなくなってきている。

この抗議運動は今のところ、日本にはそれほど大きな影響は与えていないようだが、これからどのような展開になっていくのか先は見えない。
 
イギリスの経済誌エコノミストは、こうした抗議運動についてかなり力を入れて報道しており、冷静にデモの動きを分析し、その背景にあるものや、解決策に至るまで具体的な提示を示している。

日本は今、東日本大震災からの 復興・復旧に向けて懸命の努力をしているところで、こうした海外の動きについてはあまり関心を払わない人が多いようだが、アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪をひくと言われているように、いずれ日本にもその影響が出てくることは間違いない。

10月22日号のエコノミストでは、Capitalism and its critics(資本主義とその抗議)というタイトルで、Occupy Wall Street 問題を取り上げています。

前半部分を少し見ていきます。

◆世界各地に広がりを見せている今回の抗議運動、彼ら何を訴えているのか。

they burn with dissatisfaction about the state of the economy, about the unfair way that the poor are paying for the sins of rich bankers, and in some cases about capitalism itself.

「彼らは今の経済状態や、貧しい者が裕福な銀行家たちの罪の償いをさせられているという不公平や、一部には資本主義そのものに対して不満を抱き、怒りを表している。」

Higher taxes for the rich and a loathing of financiers is the closest thing to a common denominator, though in America polls show that popular rage against government eclipses that against Wall Street.

「これらの抗議運動に共通して見られるのは、富裕層に対する増税の要求と大企業資本家たちへの憎悪である。しかしアメリカの世論調査によると、政府に対する国民の怒りの方が、ウォール街に対する怒りを大きく上回っている。」

◆今回の抗議活動がたとえ小規模で混乱したものであったとしても、欧米諸国全体に広がっている怒りを無視するのは危険だとして、次のように述べている。

There are legitimate deep-seated grievances. Young people—and not just those on the streets—are likely to face higher taxes, less generous benefits and longer working lives than their parents. More immediately, houses are expensive, credit hard to get and jobs scarce—not just in old manufacturing industries but in the ritzier services that attract increasingly debt-laden graduates.

「欧米諸国には根の深い筋の通った不満があるのだ。デモの参加者たちに限らず、若者たちは自分たちの親よりも税金を多く支払い、将来受け取る年金給付額は少なくなり、労働年数も長くなる可能性がある。もっと身近な問題としては、住宅の購入価格が高く、金融機関から融資を受けるのが難しく、就職口もわずかである。従来の製造業だけではなく、負債を抱えた多くの大学卒業生を引きつけるようなより派手なサービス業でも就職口が少ないのである。」

※アメリカでは大学の授業料などは親に頼らずに、自分でローンを組んででお金を借りて支払う学生が多いという。そのため、大学卒業後、就職口が見つからないと、そのローンを返すことが出来なくなる状態に陥る。今回のデモの参加者の中には、そうした学生がかなり混じっているという。

◆しかしながら、経済的に苦しいと感じているのは、何も若者だけに限ったことではないのだ。

It is not just the young who feel squeezed. The middle-aged face falling real wages and diminished pension rights. And the elderly are seeing inflation eat away the value of their savings; in Britain prices are rising by 5.2% but bank deposits yield less than 1%. In the meantime, bankers are back to huge bonuses.

「経済的に苦しいと感じているのは若者だけではない。中年層は実質賃金の低下や年金受給額の減少等に直面している。そして高齢者もインフレにより、自分たちの貯蓄の価値が食いつぶされている。イギリスでは物価が5.2パーセントも上がっているのに対して、銀行預金の利率は1パーセントにも満たない。その間にも、銀行家たちは莫大なボーナスを手に入れているのである。」

NO.2へ続く


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アメリカ人の43%が支持 [Occupy Wall Street]

1か月以上前に、ニューヨークのマンハッタンで始まり、アメリカ各地のみならず、世界各地にもその広がりを見ているOccupy Wall Street movement。

このデモについての世論調査がアメリカで行われました。

CBSニュースとニューヨーク・タイムズの行った最近の世論調査によると、アメリカ人の43%がOccupy Wall Streetのデモ抗議を支持していて、金と富はもっと公平に配分されるべきだという考えがアメリカ国民の間に広まってきていることがわかった。

pie_occupy_102511.gif


◆この世論調査結果の詳しい内容は次の通りです。


若年層で左翼系の人たちの方が、高齢者や保守的な人たちよりも支持派が多い。

年齢別に見ると、
18歳から29歳まででは2人に1人が支持、これに対して65歳以上では支持する人は3人に1人となっている。

リベラル派層では、3分の2が支持、これに対して保守派層では支持派は4人に1人となっている。

学歴の面で見ると、
大卒などの高学歴の人の方が、そうでない人よりも支持者が多い。大卒者のほぼ半数の人が支持しているのに対し、大卒者でない人の支持者は37%。

デモ抗議に参加している人のほぼ全員が、富がアメリカ人の少数グループに集中しずぎてぃると考えている。デモ参加者たちのそうした考えを、ほとんどのアメリカ人が支持している。

政党別に見ると、
共和党の方が、民主党や無所属よりも、所得の配分は公平に行われていると答えている率が多い。共和党の55%は所得の配分は公平だと答えている。それに対して、民主党はたったの7%となっている。

民主党の86%、無所属の67%と共和党の36%は、富はもっと公平に配分されるべきだと答えている。

Occupy Wall Street 運動はほとんどのアメリカ人の考えを代表していると答えた人は46%、それに対してアメリカ人の声を代表していないと答えた人は34%となっている。

富の一極集中に対して、アメリカ国民の強い批判の声が上がってきているようです。

詳しい内容は下記の英文記事をご覧ください。

Poll: 43 percent agree with views of "Occupy Wall Street"


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ウォール・ストリートを占拠せよ [Occupy Wall Street]

The inkblot protests.jpg
今のアメリカの政治の現状を描いた風刺漫
左がTea Party派、右がOccupy Wall Street派、そして真ん中に立って肩身の狭い思いをしている人は一体だれなのか

アメリカのニューヨークで始まったOccupy Wall Street 抗議行動は、アメリカ各地のみならず、世界各地に広がりを見せている。

大企業の強欲さや社会的不公平に対して抗議はしているが、具体的な要求の中身が見えてこないという批判も出てきている。

イギリスの経済誌エコノミストが具体策の見えてこない今回の抗議運動について、inkblot protest(インクのしみ抗議)というタイトルの記事を載せています。

Occupy Wall Street 抗議行動は果たして第2のティー・パーティ運動となって政治に大きな影響を与えることになるのか、その動向が注目されます。

「Occupy Wall Street 抗議内容」

Corporations “place profit over people”, “run our governments”, take bail-outs “with impunity”, poison the food supply, block green energy, “perpetuate colonialism at home and abroad”, muzzle the media and use student loans to “hold students hostage”.

「大企業は人間よりも企業利益を優先し、政府を動かしている。罰を受けずに政府からの救済を受けている。食料供給に害を与え、グリーン・エネルギーの普及を阻んでいる。国内外で植民地主義を持続させている。メディアを沈黙させ、学生向けローンを利用して学生を人質に取っている。」

こうしたことに対しての抗議はするのだが、具体的な要求や解決策が今のところはっきりとは示されていない。
こうした具体的な要求が見えていない今回の抗議活動のことを、エコノミストは今回の記事の中で、ロールシャッハ抗議(Rorschach protest)と呼んでいる。

It is easy to demand “just solutions”. But this is so far a movement without detailed policies. You might call them the Rorschach protests. Politicians and newspaper commentators stare at the inkblots and see what they want to see. If they see nothing very coherent, they offer suggestions of their own.

「公正な解決策を要求するのは簡単だが、これまでのところ今回の抗議行動には詳細な運動方針が見られない。ロールシャッハ抗議と呼んでもよいくらいだ。政治家や新聞のコメンテイター達はインクのしみ模様をじっと見て、そこから自分たちが見たいものを見る。彼らの抗議運動からそれほど首尾一貫した政策が見えてこなければ、自分たちの提案を彼らに与える。」

Rorschach protestはRorschach testという専門用語から来ている。
「スイスの精神科医Rorschachの考案した性格診断法で、無意味な左右対称のインクのしみが何に見えるかを答えさせ、それを分析して性格や精神内部の状態を診断する検査のこと。inkblot testともいう。」

インクのしみの形は見る人によって、様々な解釈が出来るわけで、Occupy Wall Street運動はある一定の形を成していないと見られている。

Like the Occupy Wall Street crowd, the tea-partiers did not have much by way of detailed policy when they started. That lot wanted to bash big government and restore individual liberty. This lot wants to bash big business and restore social justice. So why can’t Occupy Wall Street become a tea-party movement for the other side.

「Occupy Wall Street抗議デモの参加者同様、ティー・パーティ運動の参加者たちにも、スタートした当初はこれはといったはっきりとした政策などはほとんど見られなかった。ティー・パーティ運動の参加者たちは大きな政府を叩き、個人の自由を取り戻すことを求めていた。そして今回のデモの参加者たちは大企業を叩き、社会正義を取り戻したいと願っているのだ。それであれば、Occupy Wall Street がもう一方の勢力のためのティー・パーティ運動になれないことはないのだ。」

※ティー・パーティ運動は共和党を取り込んで、アメリカの政治全体を著しく右翼化させた。これにならってOccupy Wall Street はオバマ大統領率いる民主党を揺さぶって、左翼化の方向に持っていくのではないかと見られている。

具体的な行動パターンがなかなか見えてこないOccupy Wall Street 運動だが、エコノミストの記事は最後に次のように述べて、この記事を終えている。

These protests highlight the misery of millions during the present slump. But to bring about real change in a real democracy you also have to do real politics. It just takes work—and enough people who think like you.

「こうしたOccupy Wall Street 抗議は、今の不況下で苦しんでいる大勢の国民の窮状ぶりを浮かび上がらせている。しかし、真の民主主義国家で、真の変革をもたらすには、それらを現実化させるための政治を行うことも必要なのだ。同じ考えを持った人たちが大勢集まって、それを実行しさえすればよいのだ。」


The inkblot protests(英文記事)


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