韓国の教育事情ー過熱気味の大学受験ー② [教育]




South Korea's dreaded college entrance exam is the stuff of high school nightmares, but is it producing "robots"?
(CBS 2013/11/7)

韓国の過激な受験戦争ー②

過酷な受験勉強の実態


この試験に備えるために生徒たちは毎日10時間以上も勉強する。

毎日午後、学校の授業が終了すると"hagwon"という名前で知られている受験専門塾に通い、夜遅くまで、時には真夜中まで塾にこもって勉強する。

韓国の疾病対策予防センターの2011年の調査によると、韓国の高校生の平均睡眠時間は5.5時間だったという。

韓国では受験生たちがこのように度を越してまで勉強することを受けて、韓国の文部省は夜の10時以降の学習塾の営業を禁止するという法律を作ることにまでなったのだか、これはドル箱的受験産業界やわが子の進学を心配する親たちから激しい反発を招くに至った。

韓国の教育水準は世界的に見てもかなり高い評価を受けている。

2009年に行われた国際学習到達度調査(Programme for International Student Assessment)では、韓国の15歳の学生は読解力では2位、数学では4位、科学では6位となっているのだが、記憶力や暗記力偏重の勉強のため、学生たちの学力は次第に落胆するような結果となってきている。

スンチョン国立大学の社会学専攻の Lee Yun-ho教授の話。

「韓国の高校の授業ではディスカッションやディベートなどは行われていません。授業はすべて暗記ばかりなのです。生徒たちは大学入学試験で良い成績を取るために膨大な量の学習内容を暗記するだけに時間を費やしているのです。」

この大学修学能力試験の成績によって受験生は難易度の高い一流大学に行けるかどうかが決まる。

入学試験を首尾よく切り抜け、希望の大学に入学出来たにしても、彼らは大学教育レベルが求めている斬新な研究の実行、純粋な知的好奇心で学問に取り組むだけの能力が不足している。

「韓国の学校の授業では教師が一方的に話し、生徒はじっと座ってそれを聞いてただ暗記するだけなのです。だからそうした学生が大学に入学したとしても、独自の研究プロジェクトに取り組んだり、創造的思考を用いて学問に取り組むことが出来ないのです。韓国の教育システムはロボットを生み出しているのです。」とLee Yun-ho教授は話している。


「参考」
College Scholastic Ability Test or CSAT (大學修學能力試驗)

On the test day, the stock markets open late and buses and subways are increased to avoid traffic jams that could prevent students from getting to testing sites. In some cases, students are also escorted by police officers. Younger students and the members of the students' families gather outside testing sites to cheer on the students.

CSAT plays an important role in the Education in South Korea. It is commonly believed that the CSAT will determine which university the student will enter. CSAT is even described as ‘the chance to make or break one’s future.’
(Wikipedia 英語版より)


「試験当日は株式市場の開催時間を遅らし、受験生が渋滞に巻き込まれて試験会場に遅れることのないようにバスや地下鉄を増便する。警察官が受験生を会場までエスコートすることもある。後輩たちや受験生の親たちは受験会場の外に陣取って受験生にエールを送る。

CSAT (大學修學能力試驗)は韓国の教育に重要な役割を果たしている。試験の成績によって受験生がどの大学に入学できるかが決まると一般的に言われている。CSAT (大學修學能力試驗)は受験生の将来を賭けた一か八かの賭けだとも言われている。」

「参考サイト」
大学修学能力試験(Wikipedia日本語版)
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韓国教育事情ー過熱気味の大学受験ー① [教育]




South Korea's dreaded college entrance exam is the stuff of high school nightmares, but is it producing "robots"?
(CBS 2013/11/7)

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★韓国のある寺院で行われた特別儀式でわが子の大学入学合格祈願をしている両親たちー2013年10月6日 /AP

韓国の過激な受験競争


★韓国の大学受験戦争は日本の受験地獄のお株を奪うような激しさを見せています。

韓国の高校生にとっては恐怖となっている韓国の大学入試受験事情をレポートします。


★11月7日、韓国内の高校生65万人以上があの大学入学試験「大学修学能力試験(
日本のセンター試験に相当)」を受験した。

この試験は韓国では「修能(スヌン)」と言う名でよく知られているが、受験時間は8時間にも及び、受験科目は大学レベルの数学、歴史、科学、国語、英語となっている。


過酷な大学入学試験問題作成委員の実態


大学入学試験問題作成委員会のメンバーは国内から集められた大学教授や高校教師など490人から構成されている。

メンバーは人里離れた山岳地方にある秘密の場所に3か月間も隔離された状態に置かれる。

そして携帯電話やe-mailの使用は禁じられていて、実質的には外界からシャットアウトされた状態で、外出や家族との連絡も出来ない。

他人にはもちろん、妻や夫にも自分が世界で最も難しいと言われている韓国の大学入学試験問題を作成する委員に選ばれたことを話すことも禁止されている。

選ばれた委員たちは家族には1か月にも及ぶ不思議な不在の言い訳に出張や学術会議の出席などとしている。

委員たちは試験作成場所には一般の書店で誰でも簡単に手に入るような参考書を何千冊も持ち込むが、これは入試問題を作成するのに参考にするというのではない。

実は委員たちが作成した問題と同じ内容の問題が大学受験専門店から出版されている参考書に書かれている何千という予想問題の中に含まれていないかどうかをチェックするためなのである。

毎年1回実施されるこの「大学修学能力試験」は、受験生が翌年の春から通うことになる大学を決定する非常に重要な試験となっている。

韓国の過激な受験戦争ー②に続く
 

★参考記事(JBPress)
韓国の教育制度:大いなる減圧

英文記事


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学習塾の海外進出 [教育]

Japan’s cramming schools 「日本の学習塾」


Japan’s cramming schools.jpg

★エコノミストが日本の学習塾についての記事を特集


★論争の的になっている制度、つまり学習塾のことだが、これには驚くべき学習効果があるとして、学習塾が日本の公教育の不足している部分を十分に補っており、利用者のニーズにこたえていると述べている。

まず冒頭で、ある学習塾の授業風景が描かれていて、教室で生徒たちが、周期表を見て元素名を大きな声で答えたり、国旗を見てその国の名前を言い当てたり、20の星座名を言い当てたりしている。

こうした風景は、日本全国にある学習塾では毎夜見られる光景だ。

塾は消費者ニーズに応えている


Almost one in five children in their first year of primary school attends after-class instruction, rising to nearly all university-bound high schoolers.

「小学1年生の5人に1人が、放課後塾に通っており、大学進学を目指すほとんどの高校生が通っているという計算になるる」

The fees are around ¥260,000 ($3,300) annually. School and university test-scores rise in direct proportion to spending on juku, often a matter of concern in a country that views itself as egalitarian.

「塾の授業料は年間約26万円。学校の成績や大学受験の成績が、塾に出費す授業料にそのまま比例して上昇し、平等教育を旨とする日本ではしばしば国民の関心事となっている。」

塾は、創意工夫型の学習をする場所というよりは、従来の機械的な学習を強化する場として見られている。

少子高齢化時代に入り、政策改革の草の根運動のさきがけとなっている塾も出てきたと見る学者も要る。塾経営者の多くはは1960年代に左翼系の活動家だったが、後に彼らは産学界から締め出されてしまった。

公教育では出来ないことを塾が肩代わり


The share of enrolled students is higher than a quarter-century ago. In a 2008 government survey, two-thirds of parents attributed the growing role of juku to shortcomings in public education.

「通塾率は25年前と比べて高くなっている。2008年の政府の調査では、3分の2の親は公教育には欠点があるので、塾の役割が増えてきているのだと見ている。」

★塾のサービス(授業)はより個別化してきており、生徒1人1人の知識欲を引き出そうとしている。それに対して、公教育では生徒全員を平等に取り扱っている。

「塾は、窮屈な場所、自分の兄弟たち、テレビ、そしてインターネットのある世界から解放されているところだ」と東京の生徒たちは語っている。

★文部科学省の見方


奇妙なことに、文部科学省は塾は単なるサービスを提供するビジネスだとして学校教育の一部だとは認めてはいない。強力な力を持つ教職員組合は、教育の平等性が損なわれるとして、塾の存在には反対をしている。

その一方で、日本の塾産業は海外に進出しており、中国やアジアの各地に塾を展開しつつある。海外でも、学習塾は破たんした政府の教育制度を立て直す解決策となるかもしれない。




「英文記事」

Japan’s cramming schools

Testing times

A controversial institution has some surprising merits

THE yells of children pierce the night, belting out the elements—“Lithium! Magnesium!”—as an instructor displays abbreviations from the periodic table. Next, two dozen flags stream by as the ten-year-olds shout out the names of the corresponding countries. Later they identify 20 constellations they have committed to memory. Timers on desks push older students as they practise racing through tests. The scene at Seiran Gakuin, a juku or crammer on the edge of Tokyo, repeats itself nightly at 50,000 juku across Japan.

Seen as a brutal facet of Japan’s high-speed post-war growth, crammers are as powerful as ever. Almost one in five children in their first year of primary school attends after-class instruction, rising to nearly all university-bound high schoolers. The fees are around ¥260,000 ($3,300) annually. School and university test-scores rise in direct proportion to spending on juku, often a matter of concern in a country that views itself as egalitarian. The schools are also seen as reinforcing a tradition of rote learning over ingenuity.

Yet the sweatshop image is outdated. As Japan’s population declines, some schools are becoming a source of grassroots policy innovation, says Julian Dierkes, a rare expert on juku, who happens to be at the University of British Columbia. Many juku operators were left-wing activists in the 1960s, later shut out of business and academia.

The share of enrolled students is higher than a quarter-century ago. In a 2008 government survey, two-thirds of parents attributed the growing role of juku to shortcomings in public education. Their service is more personalised, and many encourage individual inquisitiveness when the public system treats everyone alike. “The juku are succeeding in ways that the schools are not,” an OECD report says. In Tokyo, students say, they are a relief from cramped quarters, siblings, television and the internet.

Oddly, Japan’s education ministry refuses to recognise juku, dismissing them as a mere service businesses. The powerful teachers’ union resists them on grounds of undermining equality. Meanwhile the juku concept is being exported. Japanese operators are expanding to China and elsewhere in Asia. There, too, they may prove a response to broken state systems.
(Economist 2011/12/31)


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海外留学者数の減少 NO.2 [教育]

海外留学者数の減少 NO.2

Fewer Japanese Students Studying Abroad
「海外留学をする日本の学生が減少している」
NO.2

「大意」
早稲田大学のホーチェン・クワンさんは香港から来ている留学生だが、日本の大学生について次のように語っている。

「日本の大学生は香港の学生と比べて一般的に活気ややる気に欠けている。彼らにとっては一流大学に入ることが目標であり、入学してしまうと勉強しようという意欲があまり感じられない。」

日本の学生が留学を希望しない理由の一つに、海外の大学の学費高騰がある。
一流企業に就職するのだという強い気持ちを持った学生は依然として多いのだが、近年になって企業側は世界的規模で物事を考えることが出来る能力のある人を求めてきているようになってきた。

国内ではなく海外でビジネスを計画している大企業の会社が増えてきており、日本人以外の人材を雇うことに決めた企業も出てきている。というのは日本人学生の中からそういった人材を集めるのが難しいからである。

国際的規模で人材を募集していくことに企業が力を入れるようになってきたために、日本の大学で学んでいる海外留学生たちがそうした企業にとってまさに必需品ともいえる価値が出てきたのである。

外国人留学生のために就職フェアを開催したところ、参加した企業側からは大変な関心が寄せられ、チャンスがあれば働く場所はどこの国でもよいと考えている海外留学生の積極的な姿勢に感心したとのこと。

この点が内向きな考えで日本国内での就職を望んでいる日本の学生たちとは違うところである。

「語句」
grueling「厳しい」
stay out「動かないでいる」
land jobs「職を見つける」
with confidence「自信を持って」
be caught off guard「不意を突かれる」
globally oriented「国際志向の」
offset「埋め合わせる、相殺する」
take on「引き受ける」
step up「高める、増す」
hot commodity「必需品」
meet with~「~に遭遇する」
active posture「積極的な姿勢」

「感想」
日本企業がどんどん海外へ進出するにつれて、近い将来、企業の従業員の中に外国人が増えていくことが予想されるが、日本の文化との摩擦も懸念されるところ。

しかしこれはまさに時代の流れなのでしょう。日本は狭いからの中に閉じこもっていないで外国人労働者を積極的に受け入れる時が来ているようです。

それにしても気になるのは会社内での公用語です。楽天のように英語を公用語とする会社が増えてくるのでしょうか。

いずれにしても日本語だけで用を足せる時代ではなくなってきているようです。

日本という国が世界に対してもっと開かれた国になっていく必要があるのではないでしょうか。

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More Students Choose Universities in Japan

英文記事


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海外留学者数の減少 NO.1 [教育]

海外留学者数の減少 NO.1

Fewer Japanese Students Studying Abroad
「海外留学をする日本の学生が減少している」
NO.1
英文記事はこちら
http://www.nytimes.com/2011/02/21/world/asia/21iht-educLede21.html?_r=1&ref=japan

「大意」
海外で学ぶ学生の数は増加してきているというのが世界的な傾向なのだが、この世界的な流れとは逆の方向に進んでいる国があるという。それは日本である。

文部科学省の調査によるとここ数年、海外留学生の数は減少傾向にあるという。
2004年のピーク時に比べると20パーセントも減少しているという。海外留学希望者の現象は日本の一流企業が進もうとしている方向と全く相いれないものとなっている。

新しい市場を求めて海外進出を目指そうとしている企業が求めているのは、国際的な視野を持った有能な若い才能なのである。

「企業側と学生側との間には明らかなミスマッチがある。学生たちの技能が企業側が求めている条件に合わないのである。」と語るのはリクナビの編集者である岡崎ひとみ氏である。

社会はこれからますます国際化していく必要があり、それに対応していくために文部科学省や大学は学生たちに留学を勧めているのだが、学生たちの留学への関心は低くなるばかりである。

法政大学の尾木直樹氏は、今の学生たちの心理を次のように分析している。

「日本の若者はだんだんと気持ちか゛内向きになり、危険を冒すことを嫌うようになり、新しいことに挑戦することを望まないのです。留学への関心が低いのは、未知のことや挑戦することへの不安があるからなのです。学生たちは精神的に弱くなり、基本的な生存本能がかけている者もいるのです。」

「語句」
global flow「世界的な流れ」
crisscross「行き来する」
go against the flow「時流に逆らう」
enrollment「入学」
inconsistent with~「~と一致しない」
in search of~「~を探して」
savvy「有能な」
match requirement「条件に合う」
poised to graduate「卒業予定の」
wane「衰える」
offer commentary「評論する」
close-up「詳細な」
upperclassman「上級生(大学の3,4年生)」
become introverted「(気持ちが)内向きになる」
risk-averse「危険を冒すことを嫌う」
be unwilling to~「~する気がしない」
ill-prepared「準備不足の」
take on new challenges「新しい挑戦を受ける」
unease「不安」
survival instinct「生存本能」

英文記事


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