苦悩する安倍首相 [政治]




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★私たちは後藤健二を忘れない

苦悩する安倍首相


シリアで起きた悲劇的な事件を受けて日本のタカ派が反戦運動家たちに戦いを挑む


★エコノミスト2月7日号では「苦悩する安倍首相」というタイトルでシリアのテロリスト(イスラム国)が引き起こした邦人人質殺害事件についての記事を載せています。

記事の中ではイスラム国による残虐なテロ事件に対して、安倍首相の今後の政治動向のみならず、日本国民の感情にも着目しています。


冒頭では、「日本はこれまでどこの他の国よりも長い間世界で起こる紛争とは関わりたくないと願ってきた国だが、今回イスラム国が2人の日本人を殺害したというニュースは多くの日本国民に激しい苦痛を与えた。」と書かれています。

そして「海外で起きる紛争が日本にまで影響が及ぶことはめったにない(最近日本で起きたテロ事件は1995年に起きたオウム真理教のサリン事件)」とも書かれています。


日本のリーダーである安倍首相は一貫して強気の姿勢を貫き、「国際社会と連携してテロリストに罪の償いをさせる」としている。

安倍首相とその支持者たちは今回の悲劇は日本がより多くの国際貢献が必要とされるまさにその時に起こったと述べている。

少なくとも、中東における日本の外交力と情報収集力はかなり貧弱でそうした方面での底上げが必要とされている。

もっとつっこんでこれまで平和憲法が禁止してきた海外での日本人人質救出作戦を可能にする法的整備が必要だとの声も上がっている。

そして記事の最後には次のように書かれている。

安倍首相の支持者たちははこうした憲法上の制約をきっぱりとかなぐり捨てるのかもしれないが、今回の日本人人質の陰惨な運命は日本人の孤立主義に拍車をかけ、安倍首相のタカ派的政治姿勢にブレーキをかけることにもなるかもしれない。


★国際紛争とは関わりを持ちたくないというのが日本人の本音?のようですが、だからといって日本にずっと閉じこもってばかりいては、「井の中の蛙大海を知らず」となってしまいます

イスラム国のような過激なテロ組織が世界各地に存在していて、日本は国外での紛争事件に巻き込まれる危険性は高まるばかりです。





英文記事


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平和憲法から脱却ー安倍政権 [政治]




Abe Is Said to Have Plans to Revise Pacifist Charter
(New York Times 2015/02/05)


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★憲法改正に意欲を示す安倍首相


★「安倍首相が来年度中には憲法改正の手続きを開始するとの意向を示している」という内容の 記事をニューヨーク・タイムズが報道しています。


記事を書いているのはMARTIN FACKLERFEB氏です。


安倍首相が自民党憲法改正推進本部長の船田元衆議院議員に語ったというものですが、時期としては来年の夏に行われる参議院選のあとになるとの見通しです。

戦後70年もの間日本の平和主義の柱となってきた日本国憲法の改正ですが、主な目的は国際紛争の解決に武力行使を禁止している憲法第9条の改正のようです。

憲法改正には衆参両院でそれぞれ国会議員の2/3の承認が必要となるが、昨年の選挙の自民党大勝で衆議院では可決がほぼ可能だが、参議院では今のところ2/3の賛成は得られない状況。そのため、来年行われる参議院選挙で勝利して衆参両院で憲法改正を進めたい意向。


国民の大多数が憲法改正には反対していることを考慮してか、安倍首相は首相に就任してからこれまで表立って憲法改正には触れてはこなかった。

しかし、今回のイスラム国による邦人人質殺害事件を受けて、にわかに邦人人質の身の安全、救出作戦の可否などが浮上してきた。

人質殺害事件を追い風に、安倍首相はいっきに長年の懸案であった憲法改正に持っていくのではとの見方がある。

ただし、今回の邦人人質殺害事件が安倍首相の憲法改正という強硬路線に追い風となっているのかどうかは定かではない。

この事件後、日本はイスラム国壊滅を図るアメリカとより密接な同盟関係を結んでいるために、こうした事件に巻き込まれたのだとして政府批判の声が上がっている。

これと同時に、今回の残虐な事件に直面して日本は怒りをもって団結してテロリストに立ち向かう姿勢が見られる。衆議院ではイスラム国による邦人人質殺害を強く非難、国際社会と連携してテロリストと戦っていくという決議を採択した。


★2/8のニューヨーク・タイムズに次のような風刺漫画が掲載されましたが、今の日本の実情を見事にとらえているようです。

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★憲法改正に向けた動きが活発化してきているようですが、この動きに対して韓国・中国からの強い反発が必至です。

憲法を改正して積極的平和主義を推し進めていく意向の安倍首相が率いる政府自民党が来年の選挙で国民からの支持がどのくらい得られるのかが焦点となりそうです。









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日本とイスラム国ー苦い結末 [政治]




Japan and Islamic State

The bitter end

Japanese come face to face with terrorism at its most savage
(Economist 2015/02/02)


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イスラム国に殺害された後藤健二さん


日本とイスラム国―痛々しい結末

― 最も残虐なテロリストと直面する日本ー


イギリスの経済誌エコノミスト2月2日号がイスラム国による日本人人質殺害事件についての記事を載せていますのでその記事をここに紹介します。


「日本国民の大半はテロリストによる暴力の脅威が出来るだけ早く収まることを望んでいる。

これまでテロの脅威の影響を直接受けることなく、イスラム国から遠く離れた島国に暮らす日本人は、湯川さん、後藤さんが殺害されてからイスラム国からの脅威にさらされていると身近に感じるようになった。

さらには湯川さんと後藤さんは自分から進んてそういった危険地域に出かけて行ってそのために同胞の身を危険にさらすことになったのだという自己責任まで飛び出すようになった。

安倍首相の強気の姿勢がイスラム国を挑発?

安倍首相は「日本政府は国際社会と連携してイスラム国に日本人人質殺害の罪を償わせる、日本はテロリストを決して許さない、テロリストの要求に屈したりはしない。」などと強気の姿勢を見せている。

事件の約2週間前、安倍首相は訪問先のエジプトでイスラム国と闘っている諸国に2億ドルの人道支援を行うと表明したが、イスラム国はこれと同額の身代金を日本政府に要求。

日本はテロリストとの対応能力が不十分なのにこうした安倍首相のテロに対する強気の姿勢が今回の悲劇を招いたのではとの声が出ている。

1月20日に後藤さん、湯川さんの殺害予告がなされてから、安倍首相が事件の対応で出来ることは極めて限られていて、日本政府は丸腰でテロリストと闘わなければならなかったとの声も聞こえている。

湯川さん、後藤さんの2人がどこにいるのかわかるような情報手段もなく、イスラム国との直接交渉も出来なかった。そして日本の平和憲法では自衛隊による海外での人質救出作戦は禁止されている。さらにはテロリストに身代金を支払えば同盟国であるアメリカを怒らせてしまうことにもなるとの懸念がある。

そうした事件の背景を受けて安倍首相はテロリストに対応できる強い日本を作ることを目指して、自衛隊の海外での活動範囲を広げたり、さらには戦争放棄を謳った憲法第9条の改正を目指している。

日本国民の反応

日本国民は今回のイスラム国の残虐の行為を目にして、日本国民に身の危険が及ぶことが現実問題としてとらえている。そしてテロリストの脅威にさらされない安全な場所である自分たちの狭い島国に閉じこもるようになり、日本人はますます孤立主義を貫くようになっていく。

そのため、安倍首相の長年の夢である平和主義からの脱却にブレーキがかかるのではとの声が出ている。

大半の日本国民は日本政府の安全保障政策の大幅な変革には反対なのである。

自衛隊法や憲法の改正などについて国民の理解が得られないまま事を進めていけば、安倍首相は今後難しい局面を迎えることになるだろう。


★テロリストの脅威に対して毅然とした態度で臨む安倍首相に国民の多くがある種の違和感を感じているのではないかというのがエコノミストの論調のようです。

軍事行動ではなく人道的支援活動なのだと説明したところで、イスラム国は聞く耳を持たず、結局は日本はイスラム国を攻撃するアメリカの手先だと見られているようです

今回の事件のように海外でテロリストによる人質事件が発生しても、日本政府が直接手が下せない状況下ではテロリストの要求に翻弄されるだけのようです

テロに屈しないための体制作りを急ぐ安倍首相ですが、果たして世論を味方につけることが出来るでしょうか。

英文記事


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安倍政権ー長期安定 [政治]

圧倒的な強さを見せつけた安倍政権


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12月14日に行われた衆議院選挙は予想通り?自民・公明連立政権の圧倒的勝利に終わりました。

今回の選挙の結果を海外のメディアーcnn, New York Times-などもいち早く記事として取り上げています。

Washington PostはFaced with few options, Japan gives Prime Minister Abe more time to fix the economyと題する記事を掲載しています。

Faced with few optionsとは「安倍政権に対抗出来る野党勢力がほとんどいない」ことを意味しているものと思われます。そして日本国民は安倍政権に対してさらなる時間を与えて経済再生を託すという内容の記事となっています。

戦後最低の投票率とはなったとはいえ、過半数どころか全体の2/3以上の議席を獲得(super-majority)し、並み居る野党勢力を一掃したかのような安倍政権の圧倒的な強さが目立った今回の選挙。

これには安倍首相のある戦略が功を奏したようです。

それは(4月の消費税増税により)経済状況が悪化する前に解散総選挙を行うのがベターだという安倍首相の読みが当たったといえます。

安倍首相はNHKの取材に対して「最優先課題は経済だ、そして世界的規模で積極的外交を進めていき、世界における日本の地位向上に努め、我が国の国益を守る。」と述べた。

記事の中で「自民党はベストではないがほかの政党を選ぶよりはましな選択だ。」とか、「安倍首相にチャンスを与えてアベノミクスの動向を見極めたい。」といった自民党に票を投じた有権者のコメントを載せています。

「この道しかない。(This road is the only road.)」と訴えて、安倍首相が掲げるアベノミクスの是非を国民に問いかけた今回の選挙ですが、ほかに選択肢がほとんどみあたならい状況では国民のほとんどが仕方なく安倍政権に政治運営を託したといえるのではないでしょうか。

super-majorityを獲得した安倍政権は絶対的安定多数を背景にこれからどのような政治運営を行っていくのか、日本のみならず、世界からも注目されているようです。









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デフレ脱却はまだ先 [政治]




Dismal quarter pushes Japan into recession
(CNN 2014/11/17)


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★女性労働力がますます必要となる日本経済


アベノミクスは失敗?―デフレ脱却はまだまだ先のこと?

内閣府が第3四半期(7月~9月)の国内総生産成長率を発表

その結果は安倍首相にとっては予想外の厳しいものとなった。

アメリカのCNNはDismal quarter pushes Japan into recession「みじめな結果に終わってしまった第3四半期国内生産成長率が日本の景気を後退させる」と題する記事を掲載しました。


2%程度のブラスを見込んでいた民間の予想を大きく下回る今回のGDP成長率ですが、CNNはこれを「予想外の景気後退」と見ています。

さらにはこの結果が消費税率10%への引き上げの先送りや総選挙の引き金にもなりかねないと見ています。

The disappointing result comes as Japan faces a full slate of questions over tax policy and the country's plan for economic revival -- dubbed "Abenomics."

「この残念な結果は今後消費税率を引き上げるべきかどうか、アベノミクスという経済政策の効果についても問われることになる。」

The question is whether Japan's fragile recovery can withstand another tax increase -- and whether Prime Minster Shinzo Abe has enough political capital to make his decision on the matter stick.

「問題は日本のひ弱な経済がさらなる消費税率引き上げに耐えることが出来るかどうかー安倍晋三首相が消費税率引き上げを決断出来るだけの政治力をもっているかどうかということだ。」


日本が抱えている膨大な借金を減らすためには増税が必要という声があるが、増税により消費者の節約志向が強まれば景気が低迷していき景気回復は望めない。

アベノミクスという経済政策を掲げて国民からの支持を得た安倍首相ですが、ここにきてその効果のほどが問われているようです。

政府自民党が4月に消費税率を8%に引き上げた消費増税の影響を軽く見ていたという批判にさらされるなか、安倍首相は選挙で国民の信を問うことになるようです。

増税と景気回復との間で大きく揺れ動く安倍政権の選挙の結果はどうなるのか、その結果が注目されます。



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スキャンダラスな日本の政治家たちーその② [政治]




Japanese politics

Sukyandaru

Shinzo Abe’s plan to raise the profile of women in his cabinet is in tatters
(Economist 2014/10/25)

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イギリスの経済誌エコノミストが見た日本のスキャンダラスな政治家たちーその②



「民主党は更なる閣僚のスキャンダルを暴こうと画策している。江渡聡徳防衛大臣は不適切な寄付が記載されていたとして政治資金収支報告書を訂正することとなった。西川公也農林大臣は違法な農業関連会社から寄付を受けていた疑いがもたれている。塩崎恭久厚生労働大臣は地元選挙区の介護施設特別養護老人ホーム開設に当たり口利きをしたとして厳しい批判にさらされている。3人ともそうした疑惑を否定している。こうした閣僚の疑惑を問題視する民主党に対して、自民党は野党議員の政治資金問題を追及する構えを見せている。」



「こうした中で、経済界での女性の力の活用を推進するという安倍首相の肝いりの政策は問題を抱えてしまった。先月発足した安倍改造内閣の閣僚では5人の女性を任命したが、国民からの評判は上々だった。前閣僚では女性閣僚はたったの一人だった。ロビイストの東海由紀子氏は「これ(今回の女性閣僚の辞任問題)で日本の企業は女性を役員にするのを簡単に拒否することになるだろう。」と話している。日本の企業では役員に占める女性の割合は2%にしか過ぎない。」



「安倍内閣の中で残っている女性閣僚の3人の中で少なくとも2人は右翼組織とつながりがあるとして攻撃の的にさらされやすくなっている。先月、高市早苗総務大臣はネオナチ系に所属するグループと写真に写っている問題で釈明に追われた。すぐそのあとで今度は新たな写真が問題となった。山谷えりこ国家公安委員長が在特会(在日韓国人の在日特権を許さない極右グループ)の関係者とポーズを取っている写真が明るみに出たのだ。」



「辞任した2人の後任に安倍首相は経験豊富な2人の政治家を任命した。新経済産業相には宮沢洋一氏を任命したが、就任3日目には政治資金の使い道で問題を起こしている。地元選挙区の支持グループが広島県にあるフェティシズム系のバー(SMバー)で店の費用を政治資金て゜支払ったとされる問題を起こしている。宮沢氏は自分はそんなところには行っていないと話している。新法務大臣には上川陽子が任命された。上川氏は(第1次安倍改造内閣と福田内閣で) 少子化担当大臣を務めた。政府は財政再建を目的とした消費税率のさらなる引き上げを実施するかどうかの決断をしなければならないなどの重要法案の審議に移ろうとしているところなのだが、 さらなるこれ以上の閣僚のスキャンダルが起きてしまえば国会運営に支障が出て、そうした重要法案の審議は難しくなってしまうばかりだ。」



日本の政治家にまつわるお金の問題や様々なスキャンダルは欧米社会ではそれほど大きな問題だとはとらえていないようで、こうした些細な?問題で内閣の閣僚が辞任(実際は更迭?)するのがなかなか理解できないようです。

今回は安倍首相が内閣改造で力を入れて任命した5人の女性閣僚のうち、一度に2人も辞任してしまったために問題が大きくなったのではないでしょうか。

国民の支持率低下を警戒したのか、問題が深刻化する前に早めに手を打ったかに見える安倍首相ですが、このことが今後吉と出るか凶と出るか、安倍総理の心配の種はつきないようです。

英文記事


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スキャンダラスな日本の政治家たちーその① [政治]




Japanese politics

Sukyandaru

Shinzo Abe’s plan to raise the profile of women in his cabinet is in tatters
(Economist 2014/10/25)

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イギリスの経済誌エコノミストが見た日本のスキャンダラスな政治家たちーその①


★独走態勢かと思われた安倍政権ですが、ここにきて思わぬつまずきを見せています。

次から次へと出てくる閣僚たちのスキャンダルに安倍首相は振り回されているようです。

イギリスの経済誌エコノミスト10月25日号は「日本の政治」と題する記事で、最近の与党自民党の閣僚たちから出てくるスキャンダルについて取り上げています。

海外のメディアが日本の政治をどのように見ているのか参考になると思い、拙訳ですが記事を訳してみました。

英文記事は文末に載せてあります。


日本の政治スキャンダル

安倍晋三内閣の女性閣僚の活用策が裏目にでる

エコノミスト10月25日号



「閣僚を一人失うことは残念なことだと思われるが、同じ日に2人も失えば、安倍首相は不注意だと見られてしまう。(内閣改造で)最近経済産業相に任命されたばかりの小渕優子氏と松島みどり法務大臣が政治資金規正法というささいな違反に問われて10月20日に辞任した。女性の活躍を推進する政策を掲げていた安倍首相にとっては大きな痛手となった。野党の民主党はこの機会に乗じて政府自民党への攻勢を強めており、他の閣僚たちは自分たちのスキャンダルのもみ消しに躍起になっているところだ。2012年に政権の座に復帰した安倍政権にとっては最初の大きなつまずきに直面した形となってしまった。」



「これまで閣僚たちのマネー・スキャンダルが発覚しなかったのは驚くべきことには違いない。お金にまつわる犯罪はこれまで日本の政治の世界では日常茶飯事となっている。政治家が金の延べ棒や多額の現金を賄賂目的で自宅に隠して逮捕されたのはつい数十年前のことである。ごく最近では、2009年12月に民主党政権で最初に首相になった鳩山由紀夫が政治献金リストに死亡した人の名前や違う人の名前を記載したことが判明した。実際は鳩山氏のそうした政治献金のほとんどが企業遺産を受け継いだ彼の母親から来ていたものである。」



「小渕優子、松島みどり両氏が犯した違反はごく小さなものである。松島氏の過失は支持者に1枚約80円のうちわを数千枚配布したというもの。このことが公職選挙法違反となった。今ではこのうちわにはプレミアムがつき、ネット上では1枚10、000円もの値段で売買されている。」



「小渕優子後援会事務所は地元選挙区の支持者らの東京での観劇会参加費の一部を負担した。日本では選挙活動費の使い道については法律で厳しく規定されているが、同時にあいまいなところもある。将来の首相候補の1人と目されていた小渕優子氏の場合は不注意だった。2002年、当時の小渕恵三首相は心筋梗塞で倒れ、数週間後に亡くなった。当選が確実な国会議員の中でいわゆる世襲議員は地元後援会事務所が適切に機能しているかどうかについてはあまりチェックはしない。」


その②に続く

英文記事


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止まらない閣僚のスキャンダル [政治]

Japan Leader Faces Crisis Over Minister for Trade
(New York Times 2014/10/24)


自民党の辞任ドミノ倒しが始まる?

小渕優子氏の辞任に伴い、新たに経済産業相に就任したばかりの宮沢洋一氏の周辺が急にあわただしくなってきたようです。

政治資金の不適切な使用問題で松島前法務大臣と小渕優子前経済産業相が同時辞任して安倍内閣に政治的危機が訪れてしまいましたが、その危機を乗り切ろうと新たに任命した宮沢氏でしたが、宮沢氏にも様々なスキャンダルが持ち上がっているようです。

ニューヨーク・タイムズ(10月24日付)がこうした内容の記事を取り上げています。

宮沢氏にまつわるスキャンダルですが、1つには宮沢氏が東京電力の株を保有している問題、そして次にはやはり、政治資金の運用に関する問題です。

宮沢氏の秘書が広島県内のSMバーに通い、その支払いを政治資金で支払ったというものです。

記事では次のように書かれています。

The minister’s aide had visited a club featuring sadomasochistic performances, then reported the visit as a political expense.
「宮沢氏の側近がSMバーに通い、店の支払いを政治活動費として支払った」

こうした宮沢氏のスキャンダルを受けて、またしても野党各党から辞任要求の声があがりましたが、安倍首相にとって今度は閣僚の辞任はなんとしても避けなければならない。

小渕、松島氏に続いてさらに閣僚の辞任が起これば、第一次安倍内閣の時の辞任ドミノ倒しの二の舞とならざるを得ない。

それはとりもなおさず、自民党の政権転落を意味する。

野党は宮沢氏の東京電力株保有問題を追及する構え。

「政府与党は各閣僚の身辺調査をもっとしっかりとやるべきで、宮沢氏は閣僚に任命される前に少なくとも株の売却を済ませておく必要があった。」と語るのは民主党の川端辰夫氏。

宮沢新経済産業相のスキャンダルが出てきたのは、宮沢氏の側近(秘書)がSMクラブに行き、このSMバーに18230円を政務費から支払ったことが宮沢事務所の政治資金報告書に記載されていたことが木曜日に発覚したため。

宮沢氏は「私はそんな趣味はない。」と話し、秘書にその支払いを弁済させ、政治資金報告書からその件を削除するように命じたと話している。

“I have no interest in such things,” he said. He said he had ordered the aide to repay the money to his office, and to delete the charge from the expense report.

★次々と発生する閣僚のスキャンダル、次はいったい誰の番?

関連記事安倍首相と女性閣僚
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安倍首相と女性閣僚 [政治]




Two Women Exit Japan’s Cabinet, in Crisis for Abe
(New YOrk Times 2014/10/20)


2人の女性閣僚の辞任で安倍首相に就任後初の政治的危機が訪れる?

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小渕優子経済産業相と松島みどり法務大臣の同時辞任で与党自民党が大きく揺れ動いているというニュースをニューヨーク・タイムズが記事として取り上げています

この記事を書いたのは東京支局長のMartin Fackler氏です。

冒頭では次のように書かれています。

Two female cabinet ministers resigned on Monday for separate election campaign scandals, dealing an ill-timed political blow to Prime Minister Shinzo Abe and two of his stated policy goals: empowering women and returning Japan to nuclear power.

「2人の女性閣僚が土曜日にそれぞれの選挙運動スキャンダルで辞任したのは、女性活用推進と原発再稼働という2大政策を掲げる安倍首相にとってタイミングが悪くて、政治運営に打撃を与えてしまった。」

小渕優子氏の辞任の理由については次のように書かれています。

Calls for Ms. Obuchi to step down as trade minister had been growing after revelations that her support groups may have used political funds to treat supporters to trip to a popular theater, and to buy them handkerchiefs and neckties from a boutique run by Ms. Obuchi’s brother-in-law.

「小渕氏の辞任の動きが出てきたのは小渕議員の支持グループが政治資金を使って支持者を有名な劇場での観劇ツアーをもてなしたり、小渕氏の義理の弟が経営するブティックからハンカチやネクタイを買って支持者らに渡したという疑いがもたれているということが報じられてからのことである。」
 

今回の小渕優子経済産業相と松島みどり法務大臣の同時辞任は女性の力の活用と原発再稼働を目指している安倍首相にとってタイミングが悪いと書かれています。

経済回復のために安倍首相が力を入れているアベノミクスという経済政策の成果に最近は陰りが見えてきているという微妙な時期にこうした閣僚内での揉め事は安倍首相にとっては大きな痛手であるとも書かれています。

2012年に政権の座に復帰して内閣支持率も比較的高く推移してきた安倍首相にとっては初の政治的危機を迎えることになる。

政治的ダメージを最小限に抑えるために行った今回の女性閣僚2人の辞任ですが、問題はこの2人だけにとどまらないようです。

山谷えりこ国家公安委員長、高市さなえ、有村はるこ氏などもその言動で物議をかもしていて今後新政界を揺り動かす新たな火種になりかねないようです。

内閣改造の目玉商品として安倍首相が国民に自信をもって披露した5人の女性閣僚でしたが、まさかの失態に安倍首相も第一次安倍内閣の時のトラウマが蘇ってきて冷や汗をかいているのではないでしょうか。

閣僚の失態問題を首尾よく切り抜けることが出来るかどうか、安倍首相の手腕が問われる時期が来たようです。








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ひ弱な日本の野党 [政治]




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★野党の足並みの乱れで余裕の表情の安倍首相


アベノミクスにも陰りが見えだした


イギリスの経済誌エコノミスト10月11日号はJapan’s feeble opposition(ひ弱な日本の野党)と題した記事を掲載、今の日本の政界、特に安倍政権の独走を許している野党の問題点など指摘しています。

英文記事を以下にまとめてみました。

「記事の内容」

東京、大阪、福岡などの大都会では安倍首相が掲げるアベノミクスという経済政策の恩恵を被っているようだが、それ以外の地方ではその恩恵にあずかれず安倍政権の経済政策に異を唱える人が次第に多くなってきている。

4月に導入した消費税8%アップによりGDPが第2四半期で7.1%も落ち込んでしまった。
そして安倍首相の人気にも次第に陰りが見えてきた。

有権者は野党に失望

野党が政権を狙う絶好の機会が到来?かと思いきや、有権者にとっては日本の野党は全くの期待外れとなっていて、有権者に大きな失望感を与えている。

それはどうしてなのか。

日本の野党はこれまで分裂と仲間割れを繰り返してきていている。

自民党が圧勝した2年前の選挙で政権の座から追い出されてしまった民主党やその他のミニ政党でも同じことが繰り替えされているのである。

そうした中で、2009年に自民党を抜け出した渡辺良美が設立したみんなの党に有権者の注目が集まったが、この党もまた渡辺氏の不適切な会計処理問題で大きく揺れ動いていて、国民の支持が得られていないのが実情だ。

代表の座を降りた渡辺氏と新代表の浅尾氏との間で確執が続いているようだ。

もう一人の悩める野党党首―民主党の海江田万里

海江田万里は2年前の選挙で民主党が大敗した危機を深刻に受け止めていない。

先月には海江田万里は党の執行部の人事を一新して党の代表の座にまた収まっているが、新執行部にはフレッシュな顔触れが見られない、それどころか女性の活用が全く見られない。

最大野党の民主党はアベノミクスに対抗すべく新たな経済政策を打ち出すのに苦労している中で、集団的自衛権の行使の是非を巡って党内で意見が割れている。

民主党の議員には厳格な平和主義者を唱える者が多いが、政府の動きに同調する現実主義路線の議員たちもいる。

来年予定されている集団的自衛権の立法化に民主党が賛成するかどうかが民主党が今後進むべき命運を分けることになりそうだ。

政府自民党はこの集団的自衛権の問題で民主党に揺さぶりをかけて民主党の動きを封じる狙いがある。

日本の政党はこれまで分裂しては新たな党を立ち上げては増殖してきたのだが、たとえあとから飛び出した党に戻ってきても離党の責任はそれほど厳しくは問われない。

今回政党から分かれて作られた多くのミニ政党から第3極の勢力が生まれると見ている人もいる。

橋下徹大阪市長率いる日本維新の会は結いの党と合併を果たしたが、原発、税、集団的自衛権などの重要問題をめぐっては意見の食い違いがまだまだ見られる。

民主党では保守派(市場保護派)と急進派(市場開放派)とに大きく分かれているが、急進派はみんなの党などのミニ政党と手を結べば自民党にとっても無視できない勢力となると見ている。

民主党は安倍首相の人気が高かった去年はアベノミクスを攻撃することは控えていたが、今はアベノミクスの金融緩和政策では賃金の上昇にうまくつながってはいない。

枝野幸男は安倍首相自身が安倍政権の最大の弱点であると見ている。安倍首相の自信過剰とも思える政治姿勢が災いして政権の座からの転落を招くことになると彼は考えている。

数多くのミニ野党はお互いに足の引っ張り合いをしていて、一致団結して安倍政権に立ち向かうという姿勢が見られない。

ここにきて連立与党の公明党の動きが気になる

公明党執行部は政府が掲げる集団的自衛権の行使を容認したが、母体となる創価学会の平和主義者や福祉政策派を完全には無視することは出来ない。

自民党内の反安倍勢力を甘く見てはいけない。

自民党内には今だに派閥勢力が根強く残っているのだ。
ハト派の議員たちは昨年12月の安倍首相の靖国神社参拝を激しく非難。

靖国神社参拝で日中関係が悪化しているが、それを鎮めるためかどうか自民党は谷垣氏を幹事長に起用し、反対派の懸念材料を払しょくする構えだ。

★このまま安倍政権の独走を許すのか、それとも各野党が一致団結してそれを阻止するのか、日本の有権者は政治の動向を厳しく見ていく必要がありそうです。

※記事の詳しい内容については以下の英文記事をご覧ください。

英文記事


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