安倍首相と女性閣僚 [政治]
Two Women Exit Japan’s Cabinet, in Crisis for Abe
(New YOrk Times 2014/10/20)
2人の女性閣僚の辞任で安倍首相に就任後初の政治的危機が訪れる?
小渕優子経済産業相と松島みどり法務大臣の同時辞任で与党自民党が大きく揺れ動いているというニュースをニューヨーク・タイムズが記事として取り上げています。
この記事を書いたのは東京支局長のMartin Fackler氏です。
冒頭では次のように書かれています。
Two female cabinet ministers resigned on Monday for separate election campaign scandals, dealing an ill-timed political blow to Prime Minister Shinzo Abe and two of his stated policy goals: empowering women and returning Japan to nuclear power.
「2人の女性閣僚が土曜日にそれぞれの選挙運動スキャンダルで辞任したのは、女性活用推進と原発再稼働という2大政策を掲げる安倍首相にとってタイミングが悪くて、政治運営に打撃を与えてしまった。」
小渕優子氏の辞任の理由については次のように書かれています。
Calls for Ms. Obuchi to step down as trade minister had been growing after revelations that her support groups may have used political funds to treat supporters to trip to a popular theater, and to buy them handkerchiefs and neckties from a boutique run by Ms. Obuchi’s brother-in-law.
「小渕氏の辞任の動きが出てきたのは小渕議員の支持グループが政治資金を使って支持者を有名な劇場での観劇ツアーをもてなしたり、小渕氏の義理の弟が経営するブティックからハンカチやネクタイを買って支持者らに渡したという疑いがもたれているということが報じられてからのことである。」
今回の小渕優子経済産業相と松島みどり法務大臣の同時辞任は女性の力の活用と原発再稼働を目指している安倍首相にとってタイミングが悪いと書かれています。
経済回復のために安倍首相が力を入れているアベノミクスという経済政策の成果に最近は陰りが見えてきているという微妙な時期にこうした閣僚内での揉め事は安倍首相にとっては大きな痛手であるとも書かれています。
2012年に政権の座に復帰して内閣支持率も比較的高く推移してきた安倍首相にとっては初の政治的危機を迎えることになる。
政治的ダメージを最小限に抑えるために行った今回の女性閣僚2人の辞任ですが、問題はこの2人だけにとどまらないようです。
山谷えりこ国家公安委員長、高市さなえ、有村はるこ氏などもその言動で物議をかもしていて今後新政界を揺り動かす新たな火種になりかねないようです。
内閣改造の目玉商品として安倍首相が国民に自信をもって披露した5人の女性閣僚でしたが、まさかの失態に安倍首相も第一次安倍内閣の時のトラウマが蘇ってきて冷や汗をかいているのではないでしょうか。
閣僚の失態問題を首尾よく切り抜けることが出来るかどうか、安倍首相の手腕が問われる時期が来たようです。
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