自販機がアベノミクスの邪魔をしている [経済]

One Obstacle Won’t Budge in Japan’s Fight With Deflation
(New York Times 2013/05/31)

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アベノミクスと自動販売機とは一体どんな関係が?



★華々しくアベノミクスを掲げて日本経済の活性化を目指している安倍晋三首相。

デフレ克服のため3本の矢政策を打ち出したが、このデフレを脱却するのに障害となっているものがあるという。

それは日本のどこにでもあるあの「自動販売機」である。

なぜ自販機がデフレ克服の障害物になっているのか、ニューヨーク・タイムズ東京支局特派員のHiroko Tabuchi氏のレポートです。

★東京のシャンゼリゼ通りと呼ばれている表参道ショッピング街、温泉街の裏道から標高3776mの富士山の頂上にもある自動販売機

自販機のジュースの値段はこの15年間据え置かれてきたが、最近、ジョージアコーヒーやポカリスエットやキリンレモンなどは1本120円だ。

ところが、1本80円で売っている自販機もある。

大量の金を市場に投入して消費を刺激するという安倍首相の経済政策のおかげで、フェラーリやゴルフ会員権、一等地の不動産や高級ワインなどが売れるようにはなったようだが、自販機で売られる飲料水などの日用品にはあまり効果はあらわ7れてはいないと指摘している。

原材料費や電気代などが値上げしても、清涼飲料製造会社は簡単には値上げできない事情がある。

飲料水メーカー間の競争は熾烈で、消費者は消費を控えているからである。

東京都内に300機もの自販機を設置して飲料水を販売している会社の関係者は「競争が熾烈化しているこの業界では値上げは会社の命取りになりかねない。」と話している。


アベノミクスが掲げる成長戦略は多くの金を市場に循環させれば、物の値段が上がり、投資も積極的に行うようになり、企業利益、賃金、消費そして成長が見込まれるというもの。

円安になり、輸出産業は海外での販売高が増加し、輸入品価格の高騰となる。すでにiPadの値段が高騰している。

このように経済好転の兆しは見えてきてはいるが、果たしてこの効果はこのまま持続するのか、そしてアベノミクスは達成できるのかはまだ何とも言えない状況だ。

インフレ率2%の達成を疑問視する声も経済学者から出ている。

賃金上昇の恩恵を受けているのは大企業などの一握りの人たちだ。7


飲料水市場はこの10年間で売り上げが伸び悩み、人口の高齢化などでマーケットは縮小が予想され、次第に狭まっていくマーケットで各社がしのぎを削るようになってきた。

メーカー各社は値上げに踏み切る前にまず経費切りつめのためなら何でもやる状況となっている。たとえば、スモールサイズの缶にしたり、コストをカットダウンしたり、給料のカットなど。

顧客の買い控えを懸念して値上げをせず、低価格路線を貫く会社が多い中で、新たな動きも出始めている。

サッポロビールとポッカの経営統合、そして健康志向のブームに乗り、健康飲料を発売する花王。7

花王は脂肪を消費しやすくするという特殊なポルフェノールが含まれている「ヘルシアコーヒー」を1本150円で発売した。

花王の関係者の話
「商品の価格を値上げすることが出来る企業しかこの業界では生き残れない。」

★自販機業界は生き残りをかけ、あの手この手の策を講じているようだが、消費者のニーズに合った商品の開発がカギとなるのでは。


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